雀のしっぽ

記憶と想いの覚書き

マンション 子猫

翌朝、幼い鳴き声に目が覚める。 昨晩の子猫だな、 声のする方の小窓をそっと開けた。 猫達を驚かさないように。 窓から覗くと、草陰に様子を伺う母猫のスリムな姿があった。 子猫はその視線の先。 見付けるのは簡単、茶色の小さなシッポが 丈高い草むらに行…

マンション、猫 Part1

前の晩、マンションの入口で猫を見た。 痩せた肢体に周囲に敏感な反応から野良猫だとすぐに分かったので、こちらも距離を置いた。猫はそこに留まりたいけど人が来たので迷いながらも身を隠した。 子猫がいるな。そんなに緊張したら分かってしまうよ。 去り際…

明るい顔

昨日、石階段を上りながら、ふと脇に目をやると可愛らしい紫陽花が明るい顔を上げていた。 今を見逃さなくて良かった、そんな気持ちにさせてくれる。 同行していた女性がやはりふと、 「土日、晴れますかね?」 と言った。 「イベントありですか?」 と私。…

Tension 上がる⤴

エアターミナルは上がりますね~90分前から到着出口のベンチに 陣取って、 待ってる間に知識を蓄えるために 読書するこの何とも言えないユニバーサルな波の中、 あえて、静、を行うこれはもう禅行に近い 部屋で一人で読書するより、 なんだろう?頭にはいる…

希望が満ちる

気に入るものと気に入らないものとでは、明らかな違いがあります。 気に入らないものはあれこれと頭で理由をつけますが気に入るものは無条件に好きになります。 始まりと終わりを感じるのと同じです。 希望と終焉を感じとる時に似ています。 心に沸き上がる…

魔女先生

彼女が私の部屋にやって来たのはつい昨日。でもいずれ来ることは決まっていました。ただ、タイミングは誕生日。 彼は寂しがり屋の私のために留守番の安全とそしてこれからの人生に多くの笑顔をもたらすために、魔女先生を連れて来てくれたのです。 風格たっ…

真価

闇雲に手を伸ばして振り回せば 掴めるものはあるのかなそれが出来るとしはとうに過ぎ去っているここまでで、この先を通過するための結果を 所定の形式で表しなさい人は人を評価して、自分を確認する そう言う人の世だ でも、誰かに認められるために人はいる…

履歴

確かにそこにはいました ある期間、長くもなく短くもなく、ここまでの半生振り返り、 なんて大したことない なんとも虚しい、そんな気持ちが 拭っても眼を瞑っても、 心の底に降り積もって、掃き出しきれない疑問にも危機感もなく やりたいことに眼を向けて…

眠気

一人より何人もの温もりで 途端に襲ってくる 電車やバスで座った途端に襲ってくる 会議室で話を聞き始めた途端に襲ってくる 小説を開いて活字に集中し出した途端に 襲ってくる 寒い冬、お風呂に浸かった途端に襲ってくる PCの前で他人のレポートを読み始めた…

黄昏ての

17:17黄昏てのバスは好きになれない 日が落ちきって終わっていくバスの方が まだまし。この時間帯の人たちは、 背中に誰かの思いを背負って見える 前方10人なら10人がそうだ帰る そこに不安定な安らぎが見える 誰かの造り出した風景におさまる姿が 物悲しい…

そこに有り難さはあるのか

このお店でお昼を食べようと決めて足をとめる。 混雑の日曜日でもうまくすれば、 数分の待ちで席に通されることもある。“お越しいただいて、有難うございます”今まで、食堂であまり聞いたことのない 店員さんのご挨拶だな しかも元気で早口ではあるけど、割…