雀のしっぽ

記憶と想いの覚書き

魔女先生

彼女が私の部屋にやって来たのはつい昨日。でもいずれ来ることは決まっていました。ただ、タイミングは誕生日。

彼は寂しがり屋の私のために留守番の安全とそしてこれからの人生に多くの笑顔をもたらすために、魔女先生を連れて来てくれたのです。

風格たっぷり、威厳もたっぷり、なのに愛情深くていつなんどきも見守ってくれる先生。

私の弱さを強さに転じる呪文の言葉を教えてくれる。

少し高いところに立って、金縁眼鏡の奥から見下ろしていて、気が付けば優しい眼差しを投げ掛けてくれる。

先生、私は未熟な弱虫です。でも何よりも未来が尊く、例え苦難が待ち構えていたとしても、やっぱり私は進むでしょう。

何度だって弱音を吐き、後ろを向き、歩みを止めると思うけど、やがては笑顔を取り戻して前を向く。

先生、私は臆病で泣き虫です。でも何よりも愛することが尊く、例え涙に曇る時があったとしても、やがては晴れ間を振り仰ぎ頬には明るさを取り戻す。

先生、私に笑顔を思い出させてくれて、夢見る心を決して笑ったりしない彼があなたを信頼したのです。

私が全幅の信頼を寄せる彼が先生にお願いしたのです。

私は弱さを持って強さに変える、そんな人に成長したい。

先生がその樫の箒に跨がるときは、きっと一緒に連れて行って下さい。

私の願いがどうか形となり愛する人の力となって叶えられますように

2018.5.14イヴ