雀のしっぽ

記憶と想いの覚書き

そこに有り難さはあるのか

このお店でお昼を食べようと決めて足をとめる。
混雑の日曜日でもうまくすれば、
数分の待ちで席に通されることもある。

“お越しいただいて、有難うございます”

今まで、食堂であまり聞いたことのない
店員さんのご挨拶だな
しかも元気で早口ではあるけど、割りと丁寧かも

席についてお冷やを置きながらの慣れた発声。

悪き気分ではなかったのだが、
今の自分になぜか沁みない。

お客さんへの感謝の気持ちとサービス精神が
接客のポリシーへと繋がってる。
週末の繁忙な食堂の労働をあまり身近に感じたことがなかったけど、
自分だってそんな戦場に赴くことだって
これから先、あり得るはなしだ。

これまで、食事したいときに食事したい人と当たり前のように場を設けていたけど、
遠い気持ちで少し冷えかけた珈琲をすすりながら
食事をとる
もしも、この席に閉店まであと四時間居座り続けていたら、きっと、
有り難くないお客さんに変わっていくのだろうな

今の自分もそんな有り難くない何かに変わっていくのだろうか
もしくは有り難くない何かになっていはしないだろうか

カップから1滴の珈琲もなくなったので、もはや時間の問題だよな